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パッドマン 5億人の女性を救った男のmaiのレビュー・感想・評価

4.6
凄く良かった!!!
こんなにも罵倒されてもなお、女性のためにと奮闘したラクシュミは素晴らしすぎますし、ともに頑張ってきたけれど最終的には彼を思って身を引いたパリーも凄く凄くカッコ良かったです。

汚い布を使っているために、生理が原因で亡くなる人は少なくないインド。また、生理は穢れたものとして、整理中の女性は家の外で暮らし、恥だとされています。感染症にかかることを知ったラクシュミは、妻や母や妹の身を案じ、ナプキン製作に取り組みますが、男性であるラクシュミがナプキンを作るだけで「気が狂った」と言われ、ついに彼は村を出て行くことになります。
村を出た先で、90,000ルピーを資金にナプキン製作を始め、偶然出会った女性パリーに完成品を渡したところ、使用感は普通のものと変わらなかったと感想をもらいます。その後、彼の活動に興味を持った彼女とともに発明品大会で得たお金を軍資金にして、各地の村でナプキンを普及させていきます。女性のラクシュミが売ることで、村の女性たちも彼のナプキンを手に取ってくれるのです。
彼は国連にも呼ばれ、ついに村の人々も理解してくれるようになりました。
パリーは彼に想いを寄せていましたが、彼を引き止めると彼は変わってしまうからと、身を引きます。
彼はTedに招待されたり、ライフ誌やタイム誌など数々の有名誌の表紙を飾ります。
最後は村人に受け入れられ、妻とも再開できたシーンで終わります。

最近もタンポンの使用時間を守らなかったために、10代の女の子がなくなるという出来事が海外でありました。それくらいデリケートな部分ですが、生理の話はやはり「恥ずかしい」という思いが先行して、なかなか正しい知識が広まらないのも事実だと思います。
その中で、男性であるラクシュミが女性のために社会のためにと信念を曲げずに制作を続けた姿は感動しました。
前半部分はナプキン作りもうまくいかず、周りの人からも忌み嫌われてしまう場面が多数あったのでしんどいのですが、そこは「インド映画」ということで適度にいい感じのBGMが流れ、暗くなりすぎず明るくなりすぎずのちょうどいいバランスを保っていたと思います。あと、口論のシーンなどがグダグダと続かず、展開がさっと進んでいくのも良かったです。
後半は彼の活動がだんだんと身を結び始め、さらにパリーの明るさによって「受け入れてもらえた」という感動と、ナプキン製作で仕事を得た生き生きとした女性がたくさん出てきて、勇気付けられました。
それにしても、パリーは本当に聡明で力強く美しい女性ですね。そしてガヤトリも必死にラクシュミについていこう、待っていようとする姿が本当に健気で…。
ラクシュミを一番に助けてくれたのは男性でしたが、彼が女性たちに支持されたのは彼のそのひたむきさと欲の絡まない願望のお陰だと思います。

インド映画だからですかね…とにかく色彩が華やかで美しかったです。ネオンなどのビビットな色も素敵なのですが、この映画のように自然の中にある太陽だったり花だったりの色も本当に綺麗で美しいですね。
あと、出てくるBGMや音楽が全然押し付けがましくない上に映画にぴったりとハマっています。

考えさせられる映画だし、感動もするし、元気ももらえます…また観たい映画だなぁと思いました。
近所での上映がナイトショー・レイトショーに切り替わってしまったので、急遽片道2時間ほどかかる映画館まで観に行ったのですが、観にいって良かったなと思います。また観に行こうかなとも。笑
mai

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