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ペンギン・ハイウェイのmitakosamaのレビュー・感想・評価

ペンギン・ハイウェイ(2018年製作の映画)
3.8
来たねぇ〜〜〜!新進気鋭のスタジオコロリドの初・劇場用長編アニメ映画!
若いメンバーで結成され、これまで短篇やCMアニメ等を地道に作り実力を付けてきて、遂にという感じ!コロリドは元ジブリの新井陽次郎なども居て、スタジオポノックと同じくジブリ分家とも言える。

パズドラやマクドナルドのCM・すすめカロリーナなどにも言えるが、色彩が淡く、爽やかな作風が共通している。

しかも原作が森見登美彦。有頂天家族、四畳半神話大系、夜は短し歩けよ乙女とこちらもアニメ化が続いてる。
シュールな世界観だが、物語にはちゃんと芯がある。不思議な設定でもキャラクターの感情が上手く表現されているので、気がつくと話に引きずり込まれている。

今作で言えば、街にペンギンや謎の球体“うみ”が現れるという設定。理系な少年アオヤマ君の研究により解明される謎。憧れのお姉さんの秘密。

しかし今作のオネショタのフェチズムはやばいな。もともとコロリドの各女性像がとても現代的な感じで好感持てる。ジブリの様な超健全でもなければ、オタ向けの媚びた萌え美少女でもない。ジェンダー的に自立している印象があり、どちらかというとピクサーの描く女性キャラに近いのかもしれない。しかも何処かに性的なフェチズムも垣間見せている。
この女性描写の作風は、コロリドの強みだと思う。ハッキリ言ってコロリドは伸びると確信している。

アオヤマ君もお姉さんも決して現実的ではない。でもこんな子がいたら、こんな人がいたら良いなという雰囲気が実に心地よく表現されてる。

あと、蒼井優は滅茶苦茶演技が上手いな。鉄コン筋クリートのシロも凄かったが、今作もズバ抜けてるね。個人的にはこの世界の片隅にの のん に匹敵すると思ってる。蒼井優の声が無かったらこの映画は成立しなかった筈。

新興スタジオの門出に相応しい、爽やかさに満ちた作品。オススメ!
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