えりーぜ

ペンギン・ハイウェイのえりーぜのレビュー・感想・評価

ペンギン・ハイウェイ(2018年製作の映画)
3.2
一言でいうなら、森見登美彦節の「星の王子さま」
かわいらしい絵が子ども向けアニメーションっぽいが、まったく子ども向けではない。子どもが見て分からんと頭を抱えるまでもなく「よく分からなかった」で終わり、大人になって見返した時にやっと少し分かる気がするという映画。
ありえない設定にありえない言葉遣いのキャラクター。森見節を知っている読者にはお馴染みのリズムだが、見た目がかわいいアニメキャラなので調子が狂う。アニメの気分で入って違和感に揺さぶられ、あっいつもの森見節かと気づくまでに時間がかかる。(ちなみに原作未読)
謎は謎のままですが、少年の成長譚でもあり、思春期のすれ違いの話でもあり、甘酸っぱい憧れと背伸びした頭を撫でられる苦々しさ。若き研究者の指南書でもあり、盛りだくさんで密度の高い内容でした。