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ペンギン・ハイウェイのmaiのレビュー・感想・評価

ペンギン・ハイウェイ(2018年製作の映画)
3.6
森見登美彦の世界観が本当に大好きです。
彼の作品は夏にみたくなる。

ペンギンの現象とか…SFに特化した作品ではないから、謎の解明に焦点を当てると面白さに欠ける気がしてしまいそうだけど、この作品は「少年」の恋と憧れ、そして成長に繋がるエピソードを「夏」の爽やかさを武器に描いたものです。
もうその世界観が好き。
ちょっと大人びた(そしてちょっと鼻につく態度の笑)主人公の片思いの相手は歯科医院のお姉さん。
ここからもう「ませがきあるある」なんですよね。笑
同級生になんか興味ないですよって態度で、大人の女性・男性に恋してしまう。学校の先生に恋するのと同じですよね。でも、それは恋というよりも憧れに近くって…。そこが背伸びしたい少年少女の子供らしい可愛いところなんですよね。
そして、自分への大きな期待で胸を膨らませているところ。
大好きで尊敬するお父さんの真似をしつつ、自分は将来ビッグになるんだと密かに意気込む…そういう子いるいるっていう「鼻につく子ども」だからこそ、映画の初めは主人公の魅力に気づきにくいけど、でもそういう子って物事を冷静に見てたり、正義を通そうとする部分もあって。そういうところから少しずつ主人公が魅力的に映ってくるんです。

SF要素満載だけれど、少年の青春物語であって、彼を軸に子どもたちの中で人間関係が広がっていったりする描写がベタだけど本当に大好きです。

また真夏の暑い日に観たい作品です。
声を当ててる方も良いし、エンドロールの宇多田ヒカルの流れまでがとにかく完璧でした。
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