tunic

たそがれの情事のtunicのレビュー・感想・評価

たそがれの情事(1972年製作の映画)
5.0
自分が投げ捨てた花束を優しく拾い上げる白川さんに目を留める益富さん。タイトル前からもう二人の物語ははじまっている。いや、すでに前世から結びついているのか。運命には抗わない生真面目な白川さんの隙を狙うチャラいデザイナー平田守さんも卑劣でいいですね!成城の閑静なお屋敷街と対照的にごちゃついた商店街、ヤクザのたまり場KINBASHA、原英美さんとお茶するみゆき通りの喫茶店、人混みがすごい新宿通りの歩行者天国、益富さんがドスを振り回すゴールデン街わきの廃線跡…いろいろ目が離せない。抵抗しない女は最後は物言わぬ男に連れ添って終わる。そんな物語の円環の閉じ方も見事。ファスビンダーのマルタの恐ろしいラストシーンが頭に浮かぶ。あと、白川さんのお屋敷にいるクロちゃんが可愛い!お手伝いさんの腕に抱かれている姿がみえるたび声が漏れそうになった。
tunic

tunic