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希望の灯りのRIのネタバレレビュー・内容・結末

希望の灯り(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

登場人物それぞれ抱えるものがあって(孤独さ、前科、うまくいかない夫婦関係)、家と職場のふたつの居場所で人生を歩んでいく話。

何か大きな出来事が起きるわけでもない、言ってしまえば平凡な映画だけど、日常ってこんな感じだなって思わせてくれる。どんなに退屈に思えてもささやかな幸せはあるし、自分が背伸びしなくても届く幸せこそ1番って感じた。

東西ドイツ統合後が舞台で、社会主義社会から資本主義社会に移り変わっていく中で、格差が大きくなって競争も激しくなる中でも職場で働く仲間たちとの恋愛とか上下関係とかがリアルだった。実際この時代のドイツって労働者層はこんな感じだったんだと思う。社会人として過ごしていると職場と家の行き来で1日が終わって、家はただ寝る場所で、それ以外のコミュニティーを持つのは結構難しくて、毎日同じことの繰り返しなのかなと思った。仕事を終えると外が暗くなっていて、自分だけ違う時空を生きてたのかなって思う感覚はバイトしてた時のことをちょっとだけ思い出した。

ブルーノが自殺して職場が悲しみに包まれても、数日たてばブルーノがいた場所にはクリスティアンが入ってまた新しい日常が始まるのも現実的だなと思った。
悲しい事実に変わりはないけどブルーノが残してくれたものは心を温かくしてくれる気がした。

でもインターホン鳴らして誰も出て来ないからって家に勝手に入るのはマジで怖い。
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