これは艦隊決戦としての「シン・ゴジラ」である。もし海上自衛隊が他国の船から攻撃を受けたら？このシナリオがかなり素晴らしい。抗戦派と非戦派のそれぞれの立場の言わんとしていることもとても重いし、どちらも正論である。
もちろん敵国は旧式の装備なので、蹴散らすことは簡単だろう。ただそこが日本だ。相手に大打撃を与えないよう戦闘不能の状態を目的にする。この極めて難題をなんとかクリアしようとするのだ。まったく日本はお人好しな国である。
もしアメリカが攻撃を受けたら即報復攻撃でヒャッハー！！とか叫ぶところだろう。
しかし日本は専守防衛で非戦を誓った国である。たとえ応戦することが可能だとしても敵の死は、報復の連鎖を生むだけである。その損害によっては戦争も起こりかねない。
そうした、その後に起こりうる状況を想像しながら戦わなければならないのだ。
まあそうした甘さが、日本側の被害を拡大させてしまうのだが。。。。
上映中は、何故はやく応戦しないのかとやきもきしたものだが、冷静になって考えると館長の判断は正しかったし、人として立派であった。
それにしても、記者の本田翼は勝手に映像をスクープとして送りテレビで放映されてしまう。現場ではまだ戦闘中でこの危機をクリアしようと全員必死な時にだ。。。。あれじゃ国民を炎上するだけだろう。。。ただそんな彼らに対しても紳士的な対応をする自衛隊員に心を打たれたよ。
それと、ストーリーとはまったく関係ないコンビニ描写。ただ緊迫した雰囲気にコミカルな描写があってよかったと思う。まいまいも出てきたし。
そうそう、かつて「亡国のイージス」という作品でこうした艦隊決戦が見れるものと思ってたがまったくそうゆう映画ではなくがっかりした。しかし、この映画は全編にわたり緊迫したシーンでとてもよかった。
