Sinamon

ウトヤ島、7月22日のSinamonのレビュー・感想・評価

ウトヤ島、7月22日(2018年製作の映画)
3.8
2011年7月22日にノルウェーのウトヤ島で起こった無差別銃乱射事件を、生存者の証言に基づき映画化。
97分間の本編のうち、事件の発生から収束までの72分間をワンカットで描いた映画です。
ウトヤ島での惨劇に焦点を当て、サマーキャンプに参加していた主人公の少女カヤの視点から、事件に巻き込まれた若者たちが恐怖や絶望の中で必死に生き抜こうとする姿がとてもリアルに描かれた映画でした😭

平穏だったキャンプ場に突然鳴り響いた銃声と悲鳴、逃げ惑う人達。

そこから72分間のワンカットが始まります。

カヤの目線や彼女を映し続けるカメラワークがとにかく怖くっていつ止むのか分からない銃声がずっと鳴り響き、悲鳴と叫び声が聞こえ、逃げまどう人達に不安と恐怖の極限状態を体感してドキドキハラハラが止まらず手に汗を握り目が釘付けになりました。

人が撃たれるシーンや犯人が映るシーンはないのですが、とにかく何が起こっているのか分からない恐怖、銃声、叫び声や悲鳴、逃げ惑う人達の足音がとても生々しく自分がその場にいる気持ちになってしまいました😱

観ている私も手がガクガクなるくらいの臨場感で木に隠れる人達や岸壁に隠れる人達、海を泳いで逃げようとする人達など観ていてハラハラが止まらなかったです。

もし自分だったらどうするんだろうと考えずにはいられませんでした。

カヤは妹とサマーキャンプに参加していて妹と離れ離れになってしまい妹の事を探し続けます。
自分の命が危険に晒されているのに必死になって妹を探し続け困っている人を助けていました。
私だったらこんな行動がとれるのだろうかと考えさせられました。

この映画は人物は架空なのですが、沢山の被害者の方々からの声を聞き製作したものだそうです。
被害者の方々はどんなに怖かったんだろうと思うととても悲しく苦しかったです。

この映画を観て実際にあった事件だけにお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、テロのない世界がくることをお祈りしました🙏

お恥ずかしながらこの映画を観る前まで私はこの事件を知らなかったのでネットで調べてみました。
警察官姿で、銃を持った背の高い金髪の男は、キャンプ参加者らを守るために来たと言いながら皆を集合させ銃を乱射させたそうです。
犯人は32歳のノルウェー人のアンネシュ・ベーリング・ブレイビクという男で、極右思想の持ち主であるブレイビグは、政府の移民政策に不満を抱きテロを計画。
政府庁舎前の爆弾で8人、ウトヤ島の銃乱射で69人と、単独犯としては史上最多となる77人の命を奪ったのですが、ノルウェーには死刑制度がないためブレイビクには、最高刑に相当する禁錮21年の判決が下されたそうです。
ここまで多くの人々の命を奪ったのに、最高刑が21年とはとてもやるせない気持ちになりました😭
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