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ウトヤ島、7月22日のとぽとぽのレビュー・感想・評価

ウトヤ島、7月22日(2018年製作の映画)
3.5
パワフルだけど《マグヌス不要説》。銃弾の度に背筋が凍るーーーー本作はまさしく作られる価値のある作品で意義・本気に彩られていた必見の一本!主人公の困った人を見捨てられないキャラクターもしっかりと出ていて魅力的だし感情移入できる、だがその分マグヌス不要説を唱えたい。監督脚本のエリック・ポッペの感情を揺さぶるあらゆる映画的仕掛けケレン味を排除した真摯な制作姿勢がエッセンスとして本作には詰まっていて本当に息を呑むのに、マグヌスだけフィクションめいたキャラクター造形で言動が全体的に浮いている。そのせいで作品としても不要な(ティーンの)メロドラマ的側面が意図したかどうかに関係無く付いて回る結果に。リアル志向をブチ壊すとまでは言わないでも水を指す。とりわけあの海付近での下らぬユーモアも交えて暫く続く流れは、もちろん監督の意図として作品に緩急を付けるため(サスペンス=緊張+"緩和"笑いorホッとする瞬間)にも&マグヌスの意図としてもその場の空気を和まそうとしているのは伝わるし実際そういう人もいるかもしれないけど、幾分サスペンスフルさに欠けてダルいし必然性もあまり感じられない。作り手の作為的な部分を感じてしまい、遂には冒頭の方に出てきてからまさかの運命を辿るゆるふわ天然パーマ討論好きボーイも含めての三角関係?けど、あのファーストカットだからこそのラストカット、どちらも共に素晴らしい。カメラマンを讃えよう。心臓バクバク、人生は不思議なほど残酷で時に皮肉だ。だからとにかく見てほしいし考えてほしい、衝撃のオチから目を離すな!

TOMATOMETER78 AUDIENCE67
Utøya: July 22 probes a nation's lingering shock and grief with a drama that grapples with difficult themes to deeply - and appropriately - unsettling effect.
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