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ウトヤ島、7月22日のもちこのレビュー・感想・評価

ウトヤ島、7月22日(2018年製作の映画)
3.7
2011年7月22日にノルウェーのウトヤ島で起きた実際のテロ事件を元にしたフィクション。犯人はたった1人で、島でサマーキャンプをしていた労働党青年部の10〜20代の若者69人を銃で殺害した。島で銃乱射する同日直前には政府庁舎に爆弾を仕掛けて8人殺害しており、計77人が犠牲になった。単独犯では世界最大の大量殺人犯になる。この映画では、事件の証言を元にした架空の少女の視点でウトヤ島の恐怖を体験する。72分間の衝撃のワンカット、という売りを見終わったあとに思い出して、確かにワンカットだった!と震えた。72分というのは、実際に銃撃が続いた時間でもある。見ていると、こっちも息を潜めたくなる。隠れたい。絶対に気づかれたくない、ちょっと君たち喋らないでくれ!って思った。
テロの犯人はアンネシュ・ブレイビクというノルウェー極右の男なんだけど、劇中で彼が事件を起こした背景に触れることはない(たしか)。自分の思想のために罪なき若者たちを虐殺したこの狂人が、死刑や無期懲役制度がない人権国家であるがゆえ20年そこらで出所してくるのが恐ろしいんですが!
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