ogagawawa

アイネクライネナハトムジークのogagawawaのレビュー・感想・評価

4.0
2019年の話題作『愛がなんだ』の今泉監督の最新作は、ストーリー的になにか劇的なことが起こるわけではないけど、やっぱり優しくて暖かくて、個人的にはそっとありがとうって言いながら胸にしまっておきたい映画だ。

本作は大きく分けると「出会い」と「それから10年後」が描かれている。10年である。青春映画のエピローグとかでよく見る数年後結婚式挙げてます的な話ではない。10年あれば結ばれることも別れることもある。髪型も変わるし子供も大きくなるし挫折だってある。いいことばかりではない10年かも知れないけれど、「出会い」が何かしら影響は与えていて縁が繋がっていく。その先に、出会えたのがこの人でよかった。そう思える幸せ。

みんな誰かとどこか不思議な縁で繋がっている。繋がっていなくても同じ様な想いを抱えて生きている。10年という月日で変わるものも変わらないものも嬉しいことも悲しいことも劇的じゃなくても日々は続く。奇跡とは何気ない日々と少しの偶然の積み重ね。奇跡は手作り。そんなみんなを、日々を大きな愛で包み込む作品だ。

キャストに関してはもう文句なしで、ちゃんと格好良くなく見える三浦春馬とか哀愁漂う泰造とかみんなよかったけど、僕はもう恒松祐里さんに心奪われましたね…合唱シーンでの左後方から見る恒松祐里さんがスペシャル過ぎて、これは恋。
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