青い海！青い日々！青い若者たち。原作未読で、DTMに没頭する無口な主人公と聞いてクールなおしゃれ青春映画かなって思ってたら、序盤から結構なハイペースでトンチキが襲来してやや焦る。が、そんな不安な序盤は、関西弁桜田ひよりとどエロベーシスト栁俊太郎で乗り切れる(？)からすごい。だってさ、金髪短髪栁俊太郎がベース弾くんだぜ？ もうその佇まいの時点で優勝なんだよな…。かつての長髪だとギタリストっぽいのに、短髪だとベーシストっぽい栁俊太郎。爆イケクソチャラバンドマン顔すぎるだろ…。
ひととの関わりを"ノイズ"だと思って、避けてきた主人公が、ヒロインに出会い、そのキッカケで日々に触れ、世界が拡がるというのは王道の構成。あまりに可愛いのでさすがに都合良すぎない？と思ってしまうくらいに青い服を纏う桜田ひよりが可愛い。可愛いって2回言ってしまうくらい可愛い。そして変わった世界で、では自分はどう生きるのか。何かを思うこと、自分を見せることは怖いという生きづらさや葛藤、その先で得た結末は今の時代らしい風合いで丁寧でしたね。
ただ個人的に、そういった主人公の成長物語よりも、そんな主人公の音楽を最初見つけた桜田ひより…いわば古参ファンの悲哀と愛のあれこれのほうが胸にブッ刺さってしまいましたね…。わかる、わかるよ…。好きだったものが遠くに行ってしまったときの、寂しさと嬉しさのグラデーションは割り切れないよね…。過去のあれこれを思い出したし、この映画を見たら俺も言っちゃいそうだもん「このバンドは自主制作の1st EPこそ至高」とかって。実際問題、見せ場のクライマックスより途中のセッションの音楽のほうがいちばん最高じゃなかった？(言っちゃだめ)
