映画太郎

この道の映画太郎のレビュー・感想・評価

この道(2018年製作の映画)
3.5
【 ピアノ ピアニシモ
優しく もっとも優しく 】

北原白秋という人は 激レアさん だろう

匂うような色彩と リズム(韻)
子供目線で紡がれた詩
しゆん玉の詩を世に送りながら
平気で 人妻に手を出し
姦通罪で お縄を頂戴する

嬉しくて 恥ずかしくて 恐ろしくて
どうしていいのか わからない
そのくせ 褒められると
調子こいてしまう 子供大人なのだ

計算のない
無垢で真っ白な心 といえば 聞こえはいい
白秋の 着物も洋服も 真っ白なのは
造り手の そういう意図ですね

山田耕作
洋行帰りの芸術家
白秋の詩に 曲を付けようとする

あくまで 子供向けの白秋と
芸術の高みを目指す 耕作と
二人は反りが 合わない
荒れたファーストコンタクト

二人を繋いだのは
震災後の 瓦礫の町だった

なんか 明治の話とは 思えない
つい最近の事のように思える

【 君の詩と 僕の歌で 傷ついた人を
癒す謡を作ろう
子供が 鼻歌で 口ずさめる
子供のための謡を作りたい 】

差し始めた 戦争という 暗い影
【 この国は
どこへ行こうとしているのかね 】


【 この道は いつか来た道 】

もう 二度と いつか来た
あの軍歌の道に 戻ってはならない】






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