なみ

家へ帰ろうのなみのレビュー・感想・評価

家へ帰ろう(2017年製作の映画)
4.0
ユダヤ人収容所に送られた過去を持つ男が、収容所から生還した際に助けてくれた友達に会いに行く。

頑固じいさんが家族から厄介がられ、友達に会いに行く先々でもドイツに足を付けたくないと厄介がられる。

彼のキャラクターとしては愛すべきものなんだけれども、ユダヤ人虐殺の事実は今の今までも生きていて。
むしろそれに対する憎しみ悲しみだけが濾過され鮮明に残っているような。
胸を締め付けられた。

旅路では心ある人無い人が居て、良い意味でも悪い意味でもホロコーストは過去のこと。
でも困っている彼を助けてくれる人々の彼への視線があたたかく。
その出会いが素敵なものだった。

かの土地に降り立ったときの音楽や彼の表情からもうなんとも言えないものがこみ上げ、涙が止まらない。

そして「家へ帰ろう」というセリフと邦題の素晴らしさを感じた。
なみ

なみ