ナツミオ

家へ帰ろうのナツミオのレビュー・感想・評価

家へ帰ろう(2017年製作の映画)
4.0
WOWOW録画鑑賞

アルゼンチンに住む88歳のアブラハムが娘たちの説得で翌日からホームに入ることになる。彼はその晩に家出し、ポーランドに住む親友に70年振りに会うために旅をするロードムービー。

途中、ホテルの部屋に泥棒に入られ有り金を全部盗られてしまう。
ホテルの受付女性に助けられたり、喧嘩別れしたままの娘と再会したり、行く先々で色々な女性たちに助けられる。
彼はナチスによるホロコーストから辛うじて生き延び、助けられた親友に会うことが出来るのか⁈

パリでポーランド行き列車の切符を買う時に、ドイツを通過せずに行けるルートが無いか、案内所で説明するが、無いと軽くあしらわれる。助けに入ってくれた女性がドイツ人と分かった途端に追い払ってしまう。彼にとってホロコーストの傷跡は深い。
仕方なくドイツ経由の列車に乗って、この女性と話をするうちに、打ち解けていく。
彼は最初、偏屈爺さんとして描かれるが、ホロコーストで彼と彼の家族が経験した過酷な体験は、少なからず彼の人生に影響を与えていたことがわかるにつれて、彼も周りの人達と関わることで、頑なさが、氷解していく所を丁寧に描いている。
アルゼンチン・スペイン合作作品を余り観る機会は無かったが、主人公をじんわりと温かく描いている。
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