ShinMakita

博士と狂人のShinMakitaのレビュー・感想・評価

博士と狂人(2018年製作の映画)
2.1
1872年、イングランド。米軍軍医だったDr.ウィリアム.C.マイナーは、自分が拷問した脱走兵に命を狙わていると思い込み、通行人を暗殺者と誤解して殺してしまった。結果、彼は裁判で激しい被害妄想を口にし、死刑ではなく精神病院への収監を言い渡される。同じ頃、オックスフォード大学理事会は、イギリス最大の英語辞書編纂に着手し、言語学者のジェームズ・マレーを責任者に任命していた。マレーは大学には行っていないが、独学で語学を学んだ天才である。彼は、少ないスタッフで単語をまとめることは不可能と考え、出版される本全てに編纂を手助けしてくれるよう読者に訴える手紙を添えることを思いついた。そしてある日、いきなり1000語の単語について的確な引用と解説を記したカードが届いた。手紙を読んでくれた「読者」がボランティアを買って出てくれたのだ。感謝感激のマレーは、その博識な「読者」に会いに行く。そしてその正体が、活字を追うことで妄想症状を消そうとするDr.マイナーであることを知るのだった。



「博士と狂人」。


以下、「ネタバレがあるなら、その後は?」


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メル・ギブソン+ショーン・ペン。この2人の夢の共演作なら、思いつくのは普通、ハードなクライムサスペンスアクションですよ。しかし、現実はなんとイギリス版「舟を編む」でした。

知的なセリフの中に狂気が滲むペンと、それを受け止める貫禄のメルギブ。2人ともめちゃくちゃ良かったですよ。特にペン兄貴の演技は素晴らしいの一語。「デッドマンウォーキング」の主演だからこそできるあの佇まい。「クロッシングガード」の監督だからこそ表現できるあの悔恨演技。お見事でございました。プロットも、普遍的な友情ドラマとラブストーリー、そして20世紀初頭版「カッコーの巣の上で」みたいな社会派の要素もあって飽きません。オススメです。
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