モモモ

ライトハウスのモモモのレビュー・感想・評価

ライトハウス(2019年製作の映画)
4.1
「ウィッチ」の監督に求めていた物を濃淡に堪能出来るオカルト・スリラーの傑作。
閉ざされた孤島、閉ざされた人間関係、意志を持っている様な畏怖の対象としての動物、狂っていく倫理観、曖昧なオカルト描写、辿り着く断定的なラストショット。
「ウィッチ」の姉妹作の様にも思える一作だ。
一度の鑑賞で全てを消化出来たとは思えないので、あと何度か鑑賞しないと真価を味わえない様にも思える。
主演二人の圧倒的な二人芝居に痺れてしまう。
「ウィッチ」ではまんまとアニャのファンになってしまったが、本作もまんまとデフォー&パティンソンの虜となってしまった。
開幕から「狂人」スイッチがフルスロットのデフォーに対して、ジワジワとギアを掛けていき「飲酒」を経て遂にはデフォーに迫るパティンソン。
「俺が主役だ!」と言わんばかりの演技合戦に呼応する様な終盤での主従逆転がたまらない。
序盤での「お前!掃除してないな!」と言うパワハラ長回し長台詞デフォーに、糞を逆風でその身に受けた魂の叫びパティンソンに、乱痴気飲酒パーティーに、とにかく名シーンのオンパレードで飽きる事がない。
特に「鳥を叩きつける」あの執拗さと生々しさは忘れ難い。
「これは本当のオカルト?それとも妄想?」と言う主題を絶妙なバランス感覚で行き来しながらも最後には一つの解を提示してくれるのでロバート監督は優しい人に違いない。
ジャンプスケアとは程遠い「奇声をあげながら海中より迫る人魚」に居心地の悪さを感じる最高のオカルト映画だ。
白黒映画は最高だぜ…!を堪能出来るが、もっともっと大きなスクリーンで観たかった気持ちも拭えない。
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