ゆきむし

シシリアン・ゴースト・ストーリーのゆきむしのレビュー・感想・評価

3.9
祈り、あるいは魂の物語
「事実」はそうではなかっただろう。事実は出逢わなかっただろう。事実は彼女(ルナ)はいなかっただろう。
しかし、事実を超えて「かくあれ!」「そうでなければならない!」という祈りにも似た強い想いが紡ぎ出すもう一つの時間、あり得たかも知れないもう一つの世界が「真実」として観る者に、制作者に、そして彼(ジョゼッペ)に救いをもたらす。
これこそが、絵画や音楽や文学や映画の、「芸術」の力であり役割だということを再認識させてくれる映画。
ゆきむし

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