小さな恋の物語は、
淡く儚い夢の中で紡ぐしかなかった。
落ち葉を踏みしめる音、
樹々の香り、騒めき、木漏れ日。
追いかけ、見失い、不意に現れる。
恋の始まりは、突然落ちるように
二人の目の前に現れた。
そして、突然の彼女の目の前から、
彼は消えてしまった。
まるで神隠しのように。
実話を元にした残酷な出来事を、
この映画は、幼い二人の美しく、
やるせない、哀しい幻想的な
恋物語に仕立てあげた。
通じ合う二人だからこそ、
二人は夢の中で再会できたのだろう。
二人の瞳に光る二つのともしびが、
絶望の中の唯一の救いだったはずだ。
愛は死よりも強し。