地球外生命体

チャンブラにての地球外生命体のレビュー・感想・評価

チャンブラにて(2017年製作の映画)
3.6
南イタリアのスラムを舞台に、劣悪な環境の中でもたくましく生きるロマの少年の姿を生々しく描いた人間ドラマ。アカデミー賞外国語映画賞イタリア代表選出作品。マーティン・スコセッシが製作総指揮を務めた。

イタリア、ラブリア州レッジョ・カラブリア県にあるコムーネ(共同体)のジョイア・タウロ。スラム化した通りのチャンブラには、大昔から迫害され、差別を受けてきたロマの人々が暮らしている。まともな職に就くことができない彼らは、他人のものを盗み、それを売ることでしか生活することができないのが現実だ。14歳にしてすでに酒を飲み、タバコを吸う少年ピオは、兄のコジモからストリートで日々の糧を得る術を学び、家族や仲間を支えていた。しかし、父親と兄が警察に拘留されてしまい、家族を背負う負担が一身にのしかかってくる。そんな折、アフリカからの移民のアイヴァと知り合ったピオは、アイヴァの協力を得て金を稼ぎ始めるが……。

主人公ピオを演じるのは、実際にチャンブラで生活していたロマの少年ピオ・アマートで、アマート家の家族も実名で出演。

『チャンブラにて』を監督したジョナス・カルピニャーノは2011年、ジョイア・タウロに訪れた際、ロマから撮影機材一式が積まれた車を盗まれた。その捜索をしている折、カルピニャーノ監督は『チャンブラにて』で見事に主人公を務め上げた14歳のロマの少年、ピオ・アマートと彼の家族に出会い、ロマの非情な生活、ピオの逞しさを知り、愛情と称賛の念を抱くようになる。アマート家の生活に超接近した数々のショットは間違いなく、監督のそういった感情の現れだろう。

★2017年カンヌ国際映画祭
Label Europa Cinemas
★2017年ヘント映画祭
音楽賞
★2017年ベルゲン国際映画祭
Cinema Extraordinaire
★2017年セビリア・ヨーロピアン映画祭
男優賞(ピオ・アマート)
★2017年ミシュコルツ国際映画祭
International Confederation of Art Cinemas Award
★2018年ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞
監督賞
編集賞
★2018年イタリア映画ジャーナリスト協会
コスチュームデザイン賞
★2018年トリエステ映画祭
イタリア映画作品賞【SNCCI Award】
★2018年ゴールデン・チアック賞
音響賞
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