とにかくアイディアが面白い。伏線が巧みな作品は多々あれど、これは伏線だけで構成された映画。とはいえイタリア映画らしく、難しい表現なしにいいテンポでストーリーが進む。ミステリー的な部分もあり、映画は徹頭徹尾同じ店内だけの変化のない映像だが、その謎解きに観客もグイグイ引き込まれることになる。
人の運命とは何か、神の存在とは…というテーマが背後に感じられるのもカトリックの総本山イタリアらしい。とはいえそうした宗教的要素は押しつけがましいものではなく、あくまでファンタジーの範囲内に収まっていると言える。
あれは天使か、女神だったのか…見終わった後に、不思議な縁を信じて自分も何か行動したくなるような作品。