louis_kato

エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へのlouis_katoのレビュー・感想・評価

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思春期特有の葛藤やアイデンティティの形成をとてもリアルに描いていた。
リアルというのは時に残酷だが、誰もが経験したあの”もどかしさ”をはっきりとした輪郭で描いてくれる。その輪郭をたどって、自分の輪郭に合わせることができる。

正直に思ったことといえば、自分の中学時代にSNSが無くて良かったということ…
自分の心が筒抜けの情報社会は、自己を形成する段階の中学生にとってあまりにも影響が大きい。良くも悪くも。

等身大の「8年生」は、自分の内と外の乖離に気づき始める時期だろう。
ケイラのように、理想に近づくため、自信を持つために努力できることは素晴らしい。だが、いつかありのままの自分を許すことが必要だ。

以下雑な感想
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・思春期特有の暴走は微笑ましくも恐ろしくもある

・オリヴィアとのシーン、中学生から見た高校生って、これだよなー

・自分が世界の中心だったのが、だんだん経験を積む中で世界のうちの1人に過ぎないことを感じ取る。これが大人への入り口だと思う。

・娘の変化に心配しながらも、適切な距離感で接する父は立派だと思った。
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小さな世界で大きな戦いが今日も行われている。それは他者か自己か、集団か個人か。
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