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劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズのmaverickのレビュー・感想・評価

4.7
感涙の出来。シティーハンターを愛するスタッフ、キャストによって作られていることが伝わってきた。漫画で、アニメで楽しんだあのシティーハンターが劇場版として完全新作で帰って来た。監督は こだま兼嗣、キャストはオリジナルの面々。もうこれだけで最高のプレゼント。そう、過去の名作の新作を作ったとしても、オリジナル要素が失われてしまっては意味もない。そのことをよく分かっている。観ていた側が作品に思い入れがあるように、作る側も同じように思い出があり、愛していたからこそのこだわり様である。愛を持って作品を作る。それが今の日本には少なくなった。そんな時代だからこそ、原作と旧シリーズへの愛が詰まった本作に感動して涙までしてしまったわけだ。そう、こういうのを待っていたんだよ。冒頭からもう完璧。新宿にあの面子が帰って来たんだと感じる安心感。いやいや新宿はこんな物騒じゃねーぞというツッコミすら愛しく思える。町中でロケランぶっ放すのがシティーハンターだよね(笑)。でもどれだけ銃撃戦しても人が死なない。だから不謹慎だなんて感じない。これが80年、90年代のクオリティ。ギャグもテンポも昔のテイストにこだわっているのが嬉しい。セクハラ要素もシティーハンターの中だから笑えるし、これを変えたらシティーハンターじゃないもの。いつもの面々の関係性、そこに絡むゲストキャラとで展開するストーリー。いつものシティーハンターで懐かしい。そして劇中に挿入される名曲の数々。もう流れる度に泣いてしまった。もう最高かよ。オリジナルキャストの面々もあれから月日がだいぶ経ち、一線を退いている方々もいる中で、当時と同じだと感じさせる素晴らしさよ。神谷明、伊倉一恵、玄田哲章、小山茉美、一龍斎春水。当時と変わらぬメンバーが勢揃い。ゲストも山寺宏一、大塚芳忠などで豪華すぎる。そしてキャッツアイもね。藤田淑子さんだけは叶わなかったけど、戸田恵子がその意志を引き継ぐという愛もあった。ヒロインがなぜ芸能人枠なのかが許せない所なのだが、それも最後は気にならなくなるくらいに感動させてくれたから。ラストが良かったね。そしてそこからのエンディング。もう神がかっていた。エンドロールで号泣したよ。大好きだったシティーハンターがまた帰って来てくれた。変わらないものがここにあった。新宿も昔とは変わったと思っていたけど、今の新宿も、今の日本も美しいんだなと気付かせてくれた。ありがとう。もう1回くらい帰って来てくれるかな?どこに書き込めばそれは叶うかな? XYZ と。
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