マクガフィン

セラヴィ!のマクガフィンのレビュー・感想・評価

セラヴィ!(2017年製作の映画)
3.4
パリの結婚式を舞台に、人々の人生と思惑が痛快に交差する様子を軽妙なタッチ描いたドタバタ人情喜劇。

冒頭から続く序盤の皮肉、罵声、怒号に、「ザ・スクエア」を彷彿させる、寛容のキャパを測られているよで引き気味になり、身構えてしまう。

主演の生真面目なウェディングプランナーの社長と対比のような多人種で個性が豊で自由奔放なスタッフ達。何故こんな人たちを雇っているのか不思議に思う。

新郎・新婦やその親もアクがあり、新郎は意識高い系で自分勝手。結婚式の来客を楽しませようとする気がない。
結婚式で披露する、いかにも何かありそうな空中散歩は思いのほか幻想的だったが、人情味が少ない意識高い系の失敗は何故か面白い。

移民の受け入れ問題のメタ的で、客が移民を受け入れ側、社員が移民である、逆の設定も独特で興味深い。様々な問題点を固有の特性にする人間関係の化学反応に唸らされて、寛容さの大切さを考えさせられる。

終盤の冒頭からテイストが全く違う口当たりの良さは、静寂な多幸感に包まれる人間賛歌で心地よい。