まぬままおま

フェイ・グリムのまぬままおまのネタバレレビュー・内容・結末

フェイ・グリム(2006年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ハル・ハートリー監督作品。 「ヘンリー・フール・トリロジー」第2章。

とにかく第1章の『ヘンリー・フール』からの展開の劇的さがかなり面白い。
ヘンリーが実は世界を股にかけるスパイであり、彼の低俗な「告白」のノートがアメリカ国家を転覆させる暗号文だったとは誰も気づくまい。

そしてフェイがグリムを見つけるまでのスパイ戦も面白い。エリナ・レーヴェンソンが登場するのも最高に好きだ。

また息子のネッドが学校に持ち出すポルノ玩具には暗号が込められていたり、フェイが携帯をパンツの中に隠しそれがリモートバイブのようになるくだりはキッチュだと思いつつ、そのキッチュに価値を見出したり、映画としての面白さをもたらしていることはやっぱりさすがである。

カメラが傾いていることは、世界を傾けること?
キッチュなポルノ玩具をヘンリーを探し出す重要物に傾けること、ヘンリーを世界の命運を握る人物に傾けること、そして物語それ自体で私たちの世界の見方を傾けること。斜に構えて、穿った見方をしたい。