菩薩

フェイ・グリムの菩薩のレビュー・感想・評価

フェイ・グリム(2006年製作の映画)
4.0
ヘンリー・フール三部作の二作目だから当然前作『ヘンリー・フール』の続編にあたるはずなのだが…これは果たして続編と呼ぶべきものなのだろうか…?確かに登場人物は前作を踏襲してはいるが、まるでパラレルワールドにぶっ飛んでしまったかのように話が展開、まさかのスパイ大作戦に飛躍する。『ヘンリー・フール』自体が自らの作家性をぶち壊す心の叫びの様な作品であったが、こちらはもう、どうせ現実世界など疑心暗鬼に揉みくちゃにされ無益な争いを繰り返しているに過ぎないのだから、映画くらい自由に撮らせてくれよと、どうせ傾きかけた世界は今にも壊れそうじゃないかと、行方知れぬ心帰る場所も無いじゃないかと、かなり挑戦的かつ自由に斜に構えたハートリーの姿勢が伺える、事実この映画はひたすら斜めのショットで撮られている。だがストーリーにしてもそうだが、突飛で掴み所のなくどこか気の抜けたスタイリッシュなオフビート感覚はまさにハートーリーらしさなのだろうし、なんせ主人公フェイ・グリムを演じたパーカー・ポージーを始め女優陣の顔面スペックが超絶高い…。そして我らの、と言うか俺のエリナ・レーヴェンソン、その露骨なまでの谷間強調が一応ワンカット…最高でしかない。時は西暦2006年、アメリカが血眼になってオサマ・ビン・ラディンを追っていた時にこんな作品を発表していたとは、まさにハートリーはニューヨーク・インディペンドの雄である証明だろう、にしたってなんなんだこれは(笑)
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