カレス

ファースト・マッチのカレスのレビュー・感想・評価

ファースト・マッチ(2018年製作の映画)
4.0
IMDb 6.4
日本語吹替
🅰️
「ティファニーで朝食を」で有名な作家トルーマン・カポーティの母親は息子と一緒にいることはほとんどなく、いつもニューヨークでパパ活のようなことをしていたらしい。「それでもカポーティは幼すぎたため、母親をただ慕うばかりであった」とWikipediaに書いてある。親ガチャ(ダメな方)であっても子の親を思う気持ちはそういうものかも知れない。
この映画の監督はオリビア・ニューマンで、最新作は「ザリガニの鳴くところ」だ。最近見た映画の中で最も美しく感動的だった(レビューはまだ)。それだからこの映画を見たわけではなく、Netflixの紹介動画を見て、里親のところを転々とする女の子が父親を慕う気持ちを描いた映画だと思ったからだ。
幼児虐待(言葉にするのもつらいが)のニュースを聴くたびにその子の気持ちを考えるといたたまれない。幼い子にとって親は世界の全てなのだ。この親を慕う気持ちというのは思春期の少年少女にもあると思う。
オリビア・ニューマンは本作以前に同じタイトルの14分の短編映画を作っているので、本人は気に入っている映画なんだろう。スポーツを題材にした映画は、そのスポーツシーンが下手だと興ざめなのだが、レスリングが自分はよく分からないからか上手く見えた。
社会の底辺にいる親子の映画で希望的な展開はありそうもない感じだったが、最後の決断と環境はダメな方の親ガチャを励ますものだと思う。主演のエルヴィル・エマニュエルはハイチ出身の普通の黒人の若い娘で、見てるうちに魅力的になってきた。
ちょっといい映画なんじゃないかなって思う。
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