【栄光と悲惨は表裏一体】
歌手ホイットニー・ヒューストンの生涯を綴ったドキュメンタリー。
私は歌手としてのホイットニーにはほとんど興味がありません。
彼女が歌手としてブレイクしたのは80年代になってからですが、私が欧米のポップスに興味を持っていたのは70年代前半までで、それ以降は関心を失ってしまったからです。
しかし、ケヴィン・コスナーと共演した映画『ボディガード』はよく覚えています。
あの映画の彼女を忘れなかったので、この映画も見たようなものです。
ドキュメンタリーとして、丁寧に作られた作品。
彼女の栄光と悲惨の両面に光を当てています。
ドラッグとの関係、そして夫との関係など、彼女の負の面が目を惹きました。
そしてそれらは彼女の栄光と表裏一体なのです。
日本でもそうですが、米国でも女性の有名人が私生活でも幸福であることは難しいと痛感させられました。特に彼女の場合は黒人だからなおさらです。
つまり、幼いときの生育環境。また夫となる人間との釣り合い。さらに芸能人であるために子育てにも困難がある。ホイットニー自身も犠牲者という面があったわけですが、彼女の娘は完全な犠牲者と言っていい。
米国で女性が、そして黒人が栄光をつかむことに伴う様々なマイナスについて考えさせられました。