mai

21世紀の女の子のmaiのレビュー・感想・評価

21世紀の女の子(2018年製作の映画)
3.4
これを言ってはいけないと思いつつ…この映画が刺さるのって、本当、一定のある期間の女の子だけだと痛感しました。
もしくは、ジェンダーを扱うにしても取り上げ方とかテーマが古いというか…あー、そういうのってどこかの恋愛小説で読んだことある!っていう設定や空気感が漂ってて、良い意味で言えばエッセイ的な「ありそう」な感じ、悪く言えば印象に残りにくいインパクトの薄さがありました。

いわゆるサブカルなんですが、山戸監督の作品が最高に山戸監督らしくって、長台詞続きにどこか神秘的な世界観が好きでした。それまでに何編かいいなと思った短編もあったのですが、あまりにも上手く山戸監督が全てを総括した短編を作っていたので…もしかしてこの山戸監督の短編のために、他の作品を集めたのでは…?と錯覚するほどでした。申し訳ないけども。

好き/苦手の短編の区別ってどこにあったのかなーと勝手に自己分析してみたんですけど笑、多分安直なテーマが好きではないっていうのと、恋愛にしなだれかかってもいいけどそこにも芯一本くらいは通ってて欲しいっていうのがあったんだと思います。
世の中、恋愛にも仕事にも友情にもその人なりの芯を持ってやってる人なんて少ないと思うけれど、映画かつ短編だからこそ恋愛に酔っててもその人なりの信念というか曲げたくないことがあって欲しかったなぁと思います。
例えば、セックスレスのセフレ相手に結局恋愛対象として見られてたから、そういう流れになっちゃったり。
カメラは嘘をつかない、みたいな切り取り方。
ただの雰囲気作り・リアル感づくりのために使われるセックスシーン…。

きっと高校生くらいのサブカルハマりまくってた私なら、この焼き増し感と安直感とちょっとしたリアルさがクセになってたと思うんですけど、今はもっとジェンダーやリアルに切り込んだ映画や作品が多くって、それらの作品群に見劣りしないところまでは昇華できてないのがもったいなかったです。

個人的には
・回転てん子とどりーむ母ちゃん(山中瑤子)
・our of fashion (東佳苗)
・君のシーツ
・離ればなれの花々へ
が好きでした。
古川琴音・清水くるみ・伊藤沙莉・橋本愛・手嶋実優・朝倉あき・日南響子・・山田杏奈・石橋静河・柳英里紗・唐田えりか・モトーラ世理奈…今注目したい女優が目白押しでした。
唐田えりかはこの映画ですごく魅力的だなぁと思ったのに、やっぱり私生活がちらついてしまって…もったいないなぁと。

好きな女性監督・好きな女優さんを探せるオムニバス映画です。
mai

mai