パッケージからエンキ・ビラルタッチのロトスコープとかかなと思ってたけれど普通に実写でした、そんな悲しい夢を見させてくれたところにマイナス
こういう”生活に染み込んだSF”というのが大好きだ 当人たちの暮らしそのものであることに違和感を与えないつくりを徹底できるかどうかでその聖性を宿せるかが決まる
ストーリーとしてはまったくクラシックなハードボイルド物語で、「アルファヴィル」なんかに近い男女バディ・ムービーものではある
特筆すべきはヒロインであるジュリー・デルピーのコンセプチュアルな美しさで、佇まいがすこぶるバンド・デシネ的 それがギトギトした悪目立ちをせずちゃんとSF内”暮らし”に馴染んでいるのもかっこいいんだよね
とりあえず彼女の美による圧倒的救済があります しげしげ眺めているだけでどんどん話が面白くなっていって素晴らしい相乗効果だよなと思います