ふぁみりあ

チワワちゃんのふぁみりあのレビュー・感想・評価

チワワちゃん(2018年製作の映画)
5.0
好き好き大好きちょー愛してる。
始まった瞬間からずっと涙がたまってなくなることがなかった。別に悲しくも辛くもない。ちわわちゃんが死んだことに対してとかじゃない。そうじゃなくてみんなが汚かったのにすごい美しかった。
汚いはずなのに美しく表現していたというのがただしいのかもしれない。だって、浮気だって逆レイプだって乱行だってクラブだって絶対世の中で良しとされてるわけじゃない。むしろ悪なのにすごいきれいだったの。美しくあってはいけないものにすごく魅了された。
ちわわちゃんの部分ミキの部分、嫌な部分醜い部分全部自分の中にある気がした。汚いところ全部そっくり。
持ってる人が何か始めようとするとわからないようにとめるところ。自分がなりたいものに気軽に手を出してくる人を応援せず、周りに悪いやつだと思われないように否定するところ。
だいたいのところは笑ってすませて、好きだけどでもいつでも離れられる好きで、執着がないところ。心の底から誰にも理解されないところ。愛されないところ。歪んでるところを笑ってすませて泣いてすませて色々考えてるけど言葉に出せないところ。自分のことを大事にしないところ。
本当にそっくり。
でも、そんな汚いところを「全部」ありのままに映さなかったところがすごく素敵だった。喘ぎ声だったり最後のながいくんの叫び声だって全部音楽で消されてて美しくまとまってた。
光も実際生きてて頻繁にみない色ばっかりで違う映画だったら理にかなってないし、嫌いだった。でも、なぜかこの映画はむしろそこが特に好きだった。ネオンカラーで、照明感が漂っててスタッフがミスしたのかと思うくらいの明るさででもそんなことどうでもよくなるくらい好きだった。なんでかは未だにわからないし、きっと感性だろう。
カメラワークだって今までのコメントみたらわかるだろうけど、演出であろうけど揺れてるのが嫌いだったのに今回はいきなりズーム以外のところ以外好きだった。揺れてても特に何も思わなかったし、それほど魅了されていたんだと思う。
中だるみももちろん感じられなかったし、本当にあっという間だった。音楽だってキャッチーで秀逸だったし耳に残る。
楽しそうで、ハッピーで永遠と続いてほしい幸せは私も永遠と見ていたかったし、いやらしいはずの練乳ぶっかけいちごのシーンも卑猥という言葉より宝石のようにキラキラしてた。みんなが本当にキラキラ輝いてた。本当に青春の爆発。回転式のベッドも女の子とのキスも夢中になってするエッチなチューもテキーラ一気飲みも友達の前でイチャイチャするのもたくさんの人とエッチなことするのも、憧れられたいのも、成功したいのも、600万3日で使い切るのも、みんなの中心になりたいのも全部全部体験してみたい。
ところで、終わった後私はこの感想書くためにあれ?これ犯人誰だっけと思った。本来なら一番気になるはずの犯人なんてどうでもよくなってその世界に入り込んでその世界に勝手に憧れて自分もネオン色になれるんじゃないかって勝手に思ってでもなれなくてはぁ…自分でも唖然としてる。
私の好きと嫌いと憧れと醜いと実際の部分をちょっとずつパッチワークのように入れ込まれた映画だった。
あと3回は劇場で見たいし、DVDも買う。きっとこれは私のばいぶるになる。
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