タカナリ

ONE PIECE ワンピース THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島のタカナリのレビュー・感想・評価

3.2
映画シリーズ第6弾
麦わらの一味が、オマツリ島で地獄の試練に挑みます。

今回の冒険は、オマツリ男爵のオマツリ島。
海賊向けのリゾートとしていますが、地獄の試練なるものに勝たないとサービスは受けられません。
麦わらの一味は、遊ぶために「金魚すくい」「輪投げ」「射的」の試練に挑むことになります。

試練に関しては、「金魚すくい」と「輪投げ」は楽しく見られます。
巨大金魚すくいとか迫力ありましたし、なんでもありの輪投げもなかなか良かったです。

しかし、輪投げでのチームワークの無さにはガッカリ。あの組み合わせなら仕方ないんですが、麦わらの一味ってゾロとサンジが仲悪いのわからないほどバカではないと思います。後に険悪になるための組み合わせだと思いますが、やり方が安易です。

ナミがウソップに怒るのもよくわかりません。ウソップが敵の罠のせいで戦線を離脱したのをナミは見ているはずです。見てないにしても、観察してれば分かります。それなのに平手打ちはあまりにも理不尽。

試練自体は面白かったんですが、険悪にさせたいにしても少し強引な感じがしました。


険悪なムードになっていくのが、見ていてなかなか辛い。
話しかけても無視。責任転嫁。仲間外れ。
いつもの麦わらの一味なら絶対やらないことをやってます。

この辺はかなり挑戦的ではありますが、正直やるべきではなかったと思います。
イメージが崩れますし、そんなクズみたいな一味を見たい人はいないと思います。
私は見たくなかったですし、気分が悪い。
後々これが、「こんな事があっても仲間の事を想っている」という気持ちに繋がってはいくんですが、もっとやり方があったように思います。

そもそも今回の話は、ONEPIECEらしくありません。ONEPIECEの熱さもありません。
クライマックスに行くにしたがって、どんどんと暗くなっていきます。
それもそうです。
ルフィ一人しかいませんから。サポートをしてくれる人は何人かいましたが、感情移入出来るほどのキャラクターじゃありません。カッコいいキャラクターでもないですし。


さらに残念なのが、オマツリ男爵への救済がありません。男爵は悪い奴のまま終わります。
これでいいはずがないんですが、男爵が全てを受け入れるなど、前を向いて生きるという要素は何もないです。
最低の悪人だったらまだしも、男爵がそうなった原因はちゃんとありますし、最初から悪人だったわけではありませんから、その辺はきちんと最後まで描いて欲しかったです。


ONEPIECE自体は大好きなんですが、この作品は好きにはなれません。

この話とONEPIECEという組み合わせが悪かったのではないでしょうか。
正直、期待ハズレ。
ONEPIECEでなければ、アリだったのかも。