Tはっちょう

騙し絵の牙のTはっちょうのネタバレレビュー・内容・結末

騙し絵の牙(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

世界が覆る騙し合いではなく、あくまで社内の心理戦のお話

大泉洋の気持ちよさ。ラストのコーヒーぶちまけ!は松岡茉優と同じ。演出
この構造って、腑抜けどもと同じ。大泉洋みたいに余裕ある感じで振る舞いたい憧れ。そこに食らいつく松岡茉優に「いやいやいやーダサいよー」って思ってしまうんだけれども、正しかった。必死に懸命にやってる人間を突き放したり嘲笑ったりしない素敵な作り具合。

難しいからやる。無理だからやるという精神の大泉洋。人を騙し続けて、というか策士。戦国武将みたいな。その時のやり合いが近いのかな。
半沢直樹的でもあるんだけれど、武将同士の国取合戦のようだ。伊達政宗みたい。

國村隼の誰からも筆を入れられることの無くなった腐りと池田エライザの本当の自分を書かせる人物像が対照的。
特に池田エライザにまつわる騒動がめちゃくちゃイイ。その人が表現する作品と本人の行動やモラルのたてわけ。という永遠のテーマについても触れてくれてる。

すごく時代劇的だな〜。中村倫也がラストで出てくるところとか、要するに外様ではない本家。血を注いだ正規の後継人が現れて、実は裏でも色々やってましたーって話だから!すべてが落ち着いてしまう。コレってすごく日本の封建制度を表してるような落とし所でもある。

松岡茉優が飛行機飛んでひっくりかえるところめちゃくちゃ映画的で。興奮と狂気と熱意と情熱と恐ろしさを混ぜたようなめちゃくちゃ印象的な作りになってる。