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旅のおわり世界のはじまりのTOTTOのレビュー・感想・評価

旅のおわり世界のはじまり(2019年製作の映画)
5.0
これまで執拗なまでに「世界の崩壊」を描いてきた黒沢清が「世界のはじまり」に行き着いたというだけで泣いてしまう。(最初タイトル逆で覚えてた)
しかもそこで主人公が歌うのが、世界の終わりを歌った「愛の讃歌」。
あのワンカットは思い出すだけで泣けてくる。監督本人もインタビューで話してたけど、あそこで伴奏が流れるのがいいんだよな。主人公と観客がスクリーンを超えて同じ音楽を共有する。
何より前田敦子に拍手。すべてが愛おしい。
近年の黒沢清は女優を撮るようになったなとは思ってたけど、本作の前田敦子はひょっとしたら洞口依子に匹敵するんじゃないか?
黒沢ファンとしては、新鮮な戸惑いもありつつ、ああやっぱり黒沢清だなあと胸が熱くなる作品でした。10年代の黒沢清で一番最高。
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