90/100
今年一番のなめてた物件でした。
原作は児童文学で、交通事故で目の前で両親を亡くしたトラウマを抱える少女オッコが、そのせいで幽霊がみえるようになり、祖母の旅館を手伝い宿泊客や幽霊たちと関わる過程でトラウマを克服していく話になっています。
まず冒頭の対向車線から飛び出したトラックと衝突する事故描写とそれに起因するトラウマ描写がかなりハードで、本来子供向け作品だとは思えないほどこわかったです。
トラウマ克服の過程にしても、誰かを大切に想う描写をこれほどストレートに描きながらも湿っぽくはならないスマートさ、そして克服するにあたって避けては通れない人物との対峙と、今まで関わった人たちのことがあったからこそ彼を受け入れることができたという一連のシークエンスが見事です。
そして自分を見守り助けてくれた者たちとの別れがやはりウェットにはなりすぎないよう寧ろ爽やかに描ききってみせた演出も、以上のことを90分ほどでまとめてみせた構成も全てが本当にスマートでした。
傑作だと思います。