mrかっちゃん

若おかみは小学生!のmrかっちゃんのレビュー・感想・評価

若おかみは小学生!(2018年製作の映画)
4.7
「祖母も亡くなった両親も言っていました、春の屋の湯は誰も拒まない。全ての人を受け入れるって」

不良の事故で両親を亡くした関おりこは、
祖母が経営している老舗旅館に住むことになる。
その後ひょんなことからその旅館で若女将になる為に働くことになっていく。

ここ数年間で最大のナーメテーター案件でした。
本当に申し訳ない。

彼女が旅館での生活で出会う新しい人々、お客さん、そして謎の幽霊ウリ坊。
全ての人との関わりの中で両親を喪うという最大の喪失感と自分自身の弱さと向き合っていく。
小学生とは思えない心の強さと人の良さに、仮面ライダークウガの五代雄介のキャラクター性と重なってしまった。

五代は二度と誰の涙も見たくないと誓い、みんなの笑顔を守るため、誰にも見られることのない仮面の裏に涙を流しながら果敢に戦っていく姿に本当の強さとはこういうことを言うのかと教わりました。
それと同じ事を今作でも体験することが出来た。

働いて生きる事と、死んでしまう事。
あまりにも漠然として子供に教えるのが難しい問題をこの映画はしっかりと誰にでもわかるように伝えている。
トラウマで一度人生がねじ曲がってグジャグジャになった時、人はどう乗り越え人生を修復しやり直すことが出来るのか。
そんな極めて多層的で深い人生の物語。
誰の心にも刺さる一本だと思います。
全身の鳥肌が立つのを久しぶりに、味わいました。