・ジャンル
ブラックコメディ/バイオレンス/B級/アクション/ゴア
・あらすじ
仲睦まじく一家団欒の時を過ごし続けてきた福島家
しかしそれは祖父が認知症を発症した事をきっかけに終わりを告げる
それぞれの生活もトラブル続きな中、家では祖父が度々暴走
そして遂には少女を追突事故で死なせてしまい遺体を持って帰ってくる始末…
耐え切れなくなった一家は餅や蒟蒻ゼリーで祖父の殺害を試みるがまるで効かない
更に少女の両親であるヤクザ夫婦、母が連れて来たカルト集団まで入って来た事で事態は混沌を極めていき…
・感想
みんな大好き阪元裕吾監督の商業映画デビュー作品
一時期ワイドショー等でも騒がれた餅や蒟蒻ゼリーの事件を下敷きに製作されたブラックコメディな内容となっている
とにかくカオスに次ぐカオス…!
阪本監督の初期作品に共通してある不謹慎さとアクロバティックな展開が常連俳優だけでなく本人までカメオ出演して描かれているんだからもう面白くない訳がない
独特のシュールさと安っぽい描写がしばらく続くのでそれがハマらない人には楽しめないかもしれないけど監督のファンなら確実に楽しめる怪作となっていた
地味に邦画では珍しいモザイク有りとはいえ思いっきり股間を映したオナニー描写やクズ勢揃いの一家、終盤に畳み掛けてくるゴア描写、ダッチワイフに魂が宿ったりというアホな展開
それら全てがずっとくだらなくて大人向けコロコロコミックとでも言った感じの世界観
地味に家父長制を皮肉っている感じも好き
しかし魅力はそれだけではなく阪本監督作品でしばしば見られる妙な解像度の高さが個人的にはやっぱり好き
製作時期を考えるとそこまで有名でなく報道もされていなかったブロンODにしても地下アイドルの活動内容にしても地味にっやんとリアルが反映されてるんだよな…
その上で母が連れて来るカルトの教祖が空中浮遊してたりとかタブー全開な描写も平気でぶち込んでくるし…w
長男アキヤのオナホを祖父が使う展開とか地味に嫌な笑いも挟んでくれるしで言う事無し!
後に国岡役として有名になる伊能昌幸さんがこの時点であのキャラが完成されていたのも嬉しい
あと最後に祖父が吸ったタバコがブラックデビルなの地味に笑った
笑いに走ったゴアグラインドのサブジャンル、ファニーゴアを映画で表現したかの様な初期作品ならではの世界観から改めて不謹慎も突き詰めれば傑作になるんだな、と思い知らされた
安っぽささえ味として活かしきる良いB級作品の好例と言って良いと思う
今の認知度と資金力でこの頃みたいな不謹慎作品をまたやって欲しいけど難しいんだろうなぁ…