【描き切れていない】
1972年の沖縄返還にあたって、日米交渉の第一線で奮闘した課長を描いた映画。
彼の努力や家族模様はよく伝わってきます。
ただし沖縄返還というのは非常に複雑な問題で、ある程度はこの映画でも言及されているように日米の色々な勢力や利害関係が絡んでいるので、一人の課長の奮戦で決まるわけではないし、それどころか大統領や首相の一存で決まるわけでもなかった、と考えられます。
そういう点で見ると、この映画はやや物足りない。沖縄返還に関わるあらゆる問題を提示し切れてはいないからです。
とはいえ、主人公と沖縄の関わりなど、見るべきところはそれなりにある。
この作品がきっかけとなって、より複合的な視点で沖縄返還問題を扱った映画が将来作られますように。