日本の大人気ゲームの実写化。悪と対決し、自分の存在意義を確かめ、真の友情を育む王道ストーリーは期待以上の出来。ソニックが生き生き動き、ジム・キャリーのさすがの怪演が花を添える。中川大志のボイスアクトがとても良かった。
公開前は物議を醸していた本作。最初に予告が公開されたとき、ソニックは日本のゲームファンが納得するとは思えない造形で悲鳴ともとれる不満な声がたくさん出ておりました。
結果的にソニックのデザインは一新され、ちゃんと原作を踏襲したチャーミングなソニックになりました。けど、デザインを手掛けた会社は倒産してしまったとか…。あの話本当なんですかね。まさに身を削って喜ばれるものを作っていったわけですね。
私は世代的にSEGAのゲームをやっている人も多かったし、ソニックのゲームもやったことあるので日本に馴染みあるキャラクターのハリウッド映画化はちょっぴり嬉しかったですね。しかも大好きなジム・キャリーが出演しているという。まぁさほどソニックのゲームに詳しくないんですけどね。
本作は冒頭のパラマウントのロゴが映し出されるところからゲームのリングを踏襲したデザインが施され、開始からワクワク。
ソニックが生き生きとゲームの世界を飛び出して、映画のスクリーンで画面いっぱいに動き回るのがとにかく見ていて楽しかったです。
ソニックというとてつもない力を秘めた謎のハリネズミということで、色んな土地を転々とする人生。彼に友達はおろか言葉を交わせる知り合いすらいなかったのですから、あんなに明るく振る舞うソニックを見て結構序盤から心を抉られる気分でした。
持ち前のスピードを活かして、野球だって一人でできちゃうシーンは彼の強みを残念に見せてしまうのに一役買っており、だからこそ地球で友人ができるというステップに感動を覚えてしまうんですよね。
内容としてはかなり王道的なので、意外性だったり予想外だったりするシーンはほぼないんですが、ソニックとジェームズ・マースデン演じるトムの絡みを見ていると楽しくなってきます。
何よりもジム・キャリー演じるドクター・ロボトニック(エッグマン)の存在感が凄い!彼の本作ほどぶっ飛んだキャラは久しぶりに見るのですが、ジムだからこそ圧倒的な魅力を持って演じてくれたと言えるでしょう。
一つ一つの表情の動きから仕草まで、ジム・キャリーの三枚目演技を堪能するにはもってこいの作品です。
海外でも思った以上に評判がいいそうで、ラストの終わり方を見るに次回作も期待できるのでしょうか。
それにしてもエンドクレジットで名前が出てくるGreen Hill Zoneという曲にMasato Nakamuraってクレジットされていたから、ドリカムの中村正人さんかなと思って調べたらやっぱりそうでしたね!ってかソニックのゲームの音楽を手掛けてらっしゃったんですね。初めて知りました!
※2020年劇場鑑賞73本目