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バーフバリ 王の凱旋 ≪完全版【オリジナル・テルグ語版】≫のfumingのレビュー・感想・評価

5.0
2018年度、最も映画界を騒がせたと言っても過言ではない大作インド映画「バーフバリ」の完結編、そしてそのノーカット完全版。インターナショナル版の壮大さと面白さはそのままに、やむなくカットされてしまったシーンが補完された文字通りの完全版である。
追加シーンで特に良かったのは、かわいいクリシュナ神のダンスとカッタッパ怒りの鉄拳のシーン。前者は良かった、というよりかはこれが無ければどうしてデーヴァセーナが好意を抱いているのかがイマイチわからないので、国際版でカットされていたことが非常に悔やまれるシーンである。また華麗に踊る彼女達がただただ美しい。後者は本作でも人気の高いカッタッパの正義と忠臣ぶりをより深く感じられるシーンであり、ファンは必見である。
加えて、完全版にて印象に変化を強く感じるのはデーヴァセーナの存在だ。国際版での彼女は毅然として誇り高く、徳高さと正義について説く「強くて清い女性」の像として強調されていたが、この完全版では恋と一途な愛に生きる、たおやかな彼女の一面をより観ることが出来る。特に「バーフバリの妻」としての姿もしっかり描かれており、王宮で徐々に孤立していくバーフバリを彼女がいかに支えていたかがわかる。女性の強さと正義を推す本作ではあるが、良妻賢母という古くからの模範的女性像の描写もキッチリとやってのけている。
ストーリー、映像、美術や音楽などどれを取っても素晴らしいバーフバリであるが、本作はそれらをより深く味わうことの出来るものとなっている。また単純にバーフバリの勇姿をより多く観られるので高貴なる英雄の活躍を堪能しきれること間違いなし。バーフバリを既に観た人も、そうで無い人も、全人類1度は観るべき作品だ。王を称えよ!
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