じゅんP

翔んで埼玉のじゅんPのレビュー・感想・評価

翔んで埼玉(2018年製作の映画)
2.6
これははなわによる「世界佐賀化計画」の序章に過ぎないのでしょう。

冒頭の世界観の説明や、クライマックスの逆境をどう打開したかの説明が、基本セリフで済まされていく不味さがあらわすように、この映画を支配しているのは東京でも埼玉でもなく、(限りなく表面的な意味での)説明だと思う。

ストーリーの進み方も、どんな目的のためどこに行って何をするのかという説明。笑いの取り方も、何がどう面白いのかの説明。
埼玉や埼玉らしさがゲシュタルト崩壊起こすような説明のつかない事態にはならないし、都内・県間での格差のようなディープであればあるほど輝くはずの種も、そこまで深く掘り下げられない。
そーいうものの積み重ねこそが、単発の「あるある」的な面白さを超えた個性に繋がるはずなのだけど。

でもここで提唱されたロジックが、東京だろうが神奈川だろうが分け隔てなく飲み込んで、すべてを埼玉に包括していったように、いずれは佐賀が世界を飲み込む日が来るわけです。
なんてったって今や松雪泰子にとどまらず、フェルナンド・トーレスだって佐賀なのだから。
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