「納屋を焼く」がこれになるのか笑
様々なキャッチにミステリーとあるけどそうではなかった。
脚本がとても練られていてそこがミステリー風ではあるけれど。
ラストの解釈はいろいろあるようで、
考察サイトもいくつか見ました。
説得力があるのは、本作は全て主人公ジョンスの主観(目線)で構成されているという説。
確かに。
夢だった部分も含め、全てジョンスが自身の目で見たことだった。
であるなら、最終盤のベンが自宅で新しいガールフレンドに化粧をするところなど、
ジョンスには知り得ない場面なので、
ヘミの部屋(施錠されてるからもう入れないんだけど)で、ジョンスがパソコンをタイプするシーン以降はすべてジョンスの小説の中の出来事となる。
そこから振り返ってみると、最初からどこまでが現実でどこからがジョンスの妄想かわからなくなる。
あとに幻惑的な余韻を残す不思議な映画だった。
ベースとパーカッションが主体の静謐な音楽も作品の一部となっている。
主演の3人の俳優がみな素晴らしい演技だった。
特に-ギャツビー- ベンを演じたスティーヴン・ユァンは底の知れない空虚さを表情で見事に表している。
無邪気で天真爛漫なヒロインのヘミは初めの方は本当にもう魅力的で、
みかんのパントマイムを見せれらたら好きにならずにいられないだろう。
ファム・ファタルというよりサークルクラッシャーってタイプだけど。