たく

バーニング 劇場版のたくのレビュー・感想・評価

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)
3.7
割とシンプルな話なのでネタバレできないんだけど、幼馴染みの男女が再会する冒頭からは想像もつかない不穏な展開になんとも居心地の悪さが残った。これ村上春樹が原作なのね(未読)。イ・チャンドン監督は「シークレット・サンシャイン」以来。

再会してシン・ヘミがいきなり「わたし整形したの」ってあけすけに言ってくるのが韓国らしく、女性の積極的なアプローチからのエロいベッドシーンはちょっと見入っちゃった。
彼女のアフリカ旅行中に猫の世話を頼むくだりで、猫が初対面の人には姿を見せないのが井戸のエピソードと共に彼女の妄想なのかな?っていうモヤモヤを残しつつ、終盤の伏線になってる。
彼女がアフリカから帰ってくるとなぜかイケメン金持ちがついてきて、不思議な三角関係みたくなってからの不穏な展開。このイケメン絶対なにかあるだろー!ってね。
彼が超豪華な自宅で料理をふるまうシーンで「料理は供え物でメタファーだ」っていうセリフがあって、これがビニールハウスのミスリードに繋がっていく。

職業不明の金持ちイケメンと田舎の地味な貧乏青年を対比させるところに韓国の貧富格差問題を露骨に象徴させてた感じ。このイケメンが「初めて嫉妬した」って言うシーンは、金に不自由はないけど愛情は感じたことがないってことだよね。
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