ケンジモンデン

ビリーブ 未来への大逆転のケンジモンデンのレビュー・感想・評価

ビリーブ 未来への大逆転(2018年製作の映画)
4.2
オンライン試写会にて。

「#MeToo」なんて声を上げることすら思いつかないような、男女差別が「普通」「自然的」とされていた時代がほんの半世紀前まであったこと。そして、その「普通」を変革する、歴史的第一歩がここにあったことを忘れてはいけない。

フェリシティ・ジョーンズ演じるルースのまっすぐな瞳、最後の弁論に心打たれた。しかし、彼女を理解し優しく支える夫マーティや、反発しながらも母の背中を追う娘の存在もこの物語には欠かせない。ひとりの女性の物語であり、ひとつの家族の物語でもあるのだと思った。

「まず人の心を変え、次に法律を変えるの」
裁判ものとしても、とても見ごたえがあった。
守る立場と変える立場の両方の思いが見えて
ルースを応援しながらも「そうだよな…」と心が揺れ動いてしまう。
それだけ「普通」というものは人間にしがみついている。
それを変えるには、自分の正義をふりかざすのではなく
その人の心に訴えかけるまっすぐな言葉が必要なのだと感じた。

前に進む勇気をくれる映画でした。