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ジュディ 虹の彼方にのAyaxのレビュー・感想・評価

ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)
3.6
ジュディ・ガーランドさんの人生は波乱万丈なんだけど、映画的にストーリーの展開は凡庸なので、見所はレネー・ゼルウィガーの演技と歌。私にとってレネー・ゼルウィガーはずっとブリジット・ジョーンズのイメージがあるのに、今作ではレネー感ゼロ(もちろんメイクの効果も絶大)で、ああジュディさんってこういう人だったんだなあと、まるで本人が出てる動画を観てるような気分だった。歌もレネーが全て歌ってるというのが信じられないくらい上手かった。
ジュディ・ガーランドさんという人は幼少期から芸能の才能を開花させ、マネージャー役の母親には痩せ薬として覚醒剤を飲まされ(太りやすい体質でいつも痩せろと言われていた)、眠れないと睡眠薬を飲まされ、契約したスタジオのプロデューサーからは性的虐待を受け、身も心もボロボロという壮絶な人生を歩んだ。もっと良識ある大人に囲まれて育っていたらどんなに素晴らしい女優人生を送れていただろうと思う。もし才能がなかったらなかったで平凡でも幸せな人生を送れていたかもしれない。才能があり過ぎたがために大人に搾取され不憫で残念で仕方がない。
47歳という若さで睡眠薬の過剰摂取で亡くなられたわけだけど、この映画で多くの人に知られて再評価されたら良いなあと思う。
ケーキを食べるシーンの何とも言えない表情がたまらなかった。ラストのあるシーンが私的にはち、陳腐〜って感じでマイナス。
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