おどろきの白鳥

私は、マリア・カラスのおどろきの白鳥のレビュー・感想・評価

私は、マリア・カラス(2017年製作の映画)
3.4
試写会で拝見いたしました。

没後40年で見つかった彼女の未完の自叙伝や友人宛の手紙を読み上げたり、1970年のテレビ番組でのインタビューを使ったりして、これらを軸に過去の様々な実際のフィルムを繋ぎ合せたドキュメンタリー。
どうやら、放映されなかった没インタビューのほか、プライベートの8ミリ&16ミリとか、劇場が記録用に撮影したビデオとか、ファンが勝手に盗撮したものなど、世界中からかき集めた未公開のフィルムを多数使っているらしい。
映像は、ほとんど本人。
歌や会話も、大半が本人の残した声から流用されていました。
流石に、自叙伝や手紙などは、『永遠のマリア・カラス』でカラス役を演じたファニー・アルダンが朗読してましたが。
カラスを敬愛する監督の、執念が実った作品と言えます。
なので、カラスの大ファン、特にリアルタイムで観聞きした世代には、たまらなく面白い作品になってる……
のかもしれません。

私のように、オペラ自体、学がなくて縁も知識もないけれども、「マリア・カラスって名前は知ってる」「彼女の『蝶々婦人』や『椿姫』くらいは聴いたことはある」「この映画を入り口にオペラを理解できたらいいな」って思って観にきた人にとっては、なんのことやら、って感じ。
なんだか、友人の友人の未編集な結婚式のビデオや、さらにその子供の運動会のビデオを見せられている感覚に陥ります。

だから、「類い稀な才能と努力で歌に生きたカラスと、恋と平和な暮らしを望むマリア、二つの人格が同居し、その間を揺れ動いた生き様を追う…」って趣旨はいいんだけど、長すぎ。
試写状には114分って書いてあった。
体感的には3時間越え。90分くらいにカットできるって!
「まだ続くの?まだ終わらないの?座りすぎて尻が痛いよ!」と思う羽目に。