叡福寺清子

ビハインド・エネミーライン 女たちの戦場の叡福寺清子のレビュー・感想・評価

2.8
1941年10月30日.ソ連軍包囲網に取り残されたドイツ軍小隊9名.彷徨の末,辿り着いたのはわずかばかりの老人と女子供だけが住まう寒村.元々はドイツを祖とする故ドイツ語が話せる.兵隊による支配という構図はあるもののソ連軍よりもドイツ兵を好ましいという村民の意志もあり,和やかな関係が保たれていた.明日は出立という事でその夜送迎の小さな宴会が開かれるまでは・・・
ゴミみたいな邦題ゆえに勇ましい復讐劇の印象がありますが,原題は「沈黙を聞く(グーグル翻訳)」.そう,これは起きてない事にされた戦争犯罪の一つの記録です.本作自体はフィクションでありますが,戦争という狂気の元では同様な事件が起きていても不思議ではないし,またなかったことにされているかもしれません.かような埋もれた歴史(あるとすれば)を掘り起こすのは後世に生きる者の努めやもしれません,というのが大きな教訓.
そしてもう一つの教訓は復讐は計画的に・・・
散発的にドイツ兵を襲撃するものだから,その様相はザ・無駄死ですですデスティニーチャイルドです.
というか,事件の発端となった少尉は何が不満だったのでしょう.ちゃんと小屋に入っておセッセの饗しを受け入れればいいものを.もったいないことしやがってと憤りました.
視聴後はちゃんと嫌な気分になりましたので,スコアを高めに付けたかったですが,ゴミ邦題の分差っ引きました.
にしても,10月30日というのにあの寒い環境.ウクライナ公演を打診されても夏意外は全部断ろうと強く思った次第であります.