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LETO -レト-のMissYのレビュー・感想・評価

LETO -レト-(2018年製作の映画)
4.0
予告編しか見てなくて、あまり情報仕入れずに見ました。80年代、ペレストロイカの頃のソ連が舞台らしいというのが分かり、モノクロ時々パートカラーの不思議な映像(更に時々落書きみたいなアニメ合成)チープなMTVっぽいミュージカルのようなシーンが時々挟まれて、なーんか不思議な三角関係の男女のお話?と思いきや。
まさかの、最後の最後に「実話ベースで、ちょっとフィクション入れてます」ってな説明が入って驚き。
映画見た後にチラシ見たら、実在のバンドの話やったんかーい!!と、二度ビックリ。だってだって、ロックコンサート出る為にも事前に委員会みたいな人たちの「歌詞チェック」があるんですよ。そして客がノリノリだと、あんまりノッてはダメ!って規制が入るし、基本皆んな着席で見ている!!(でも、これはまるで昨今のコロナウイルス騒ぎ後のライブハウスの状況で、ちょっと苦笑い)
西側の情報は中途半端に入ってくるんだけど、何しろ情報に飢えているので、レコードジャケットを模写(!)したり、歌詞を耳で聴いてロシア語に翻訳してノートにびっしり書き留めたり。この熱意たるや!
80年代のソ連のロックシーンを垣間見ることが出来て、へぇー!!って感じでした。

色々気になったので久々パンフレット購入。そしたら監督、この映画の撮影が終わろうとしている現場で無実の罪で逮捕され、モスクワで自宅軟禁された状態で本作品を編集して完成したらしい。なんかもう色々すごすぎる!!

まぁ、そんなこんなを後から知った私ですが、知らなくても「ひと夏の淡い恋の物語」として楽しめる映画です。エンディング切ないけどねー。
サントラ盤はApplemusic にあるよん!(第71回カンヌ国際映画祭でサントラ賞最優秀作曲家賞を受賞。でも自宅軟禁状態で授賞式には監督は出席出来なくて、カンヌ映画祭事務局はロシア政府に抗議の意味を込めて監督の席を空席だけど作ったとのこと。素晴らしい!)
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