Riccardo

幸福なラザロのRiccardoのレビュー・感想・評価

幸福なラザロ(2018年製作の映画)
4.6
「ラザロ」、「ラザロ」、「ラッザロォーー」

彼の名前が常に飛び交うイタリアの小さな山奥の村。彼はどんなことでもやる。顔色1つ変えずに、何の疑いもせず。ただひたすらに働くラザロ。

そんなラザロはいったいどんなことを思ってたんだろう、自分はずっと彼がどんなことを考えてるのか終始気になってました。

この映画は、ラザロが崖から落ちる前と落ちた後の2つに分けることができます。この前半と後半では内容も舞台も大きく変化します。
前半での印象に残ったシーンはやっぱりタンクレディとラザロが狼の遠吠えを真似する場面。あそこで初めてラザロの表情が変わった気がします。
後半は、印象に残ったシーンめちゃあるけど、これもほとんどの人が心を掴まれたであろう、「音楽が去っていく」「音楽がついてきた」の場面。もーいろんな想像が溢れ出て止まらなかったな〜。

イタリアに行った時、結構な頻度で貧相な感じの人を見かけるし、路上に横たわってる人とか路上商売とか日本に比べてすごい多いなーてこの目で感じたことがある。
この映画の後半ではそれがリアルに描かれてて、ラザロはそんな人達に寄り添う、あるいは救うような神のような存在だったんじゃないかなーと自分は思いました。
Riccardo

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