『終わらないエンドロール』
ハッと気づかされる、ドラムのビート。
そこにはハイハットの数にまず着目する私の意識。
その微かなハイハットの音の数に、静かに耳を傾ける。
人種的な差別が縦横無尽に錯綜するこの作品では、課題を残したままエンドロールとして去っていく。
後味の悪いまま、
カラフルな旗は消え去り、にわかに白と黒の重圧として迫り来る現実問題がのしかかる。
人種差別。
なくなったらいい。
そう主張する声は幾度と聞こえど、
今一度、現実的にのしかかる、消え去りそうもないこの問題の呼吸を感じとってみよう。
やがて、音は次第に大きくなり、騒音と化し、芥川龍之介のみぞしる、地獄世界の悲鳴が密かに、この青い地球にあると、信じられようか。
答えは地獄のマグマから悲劇の騒音の中にうずくまっているのであれば、喜んで右手を失う覚悟で掴み取ろうぞ。